今回の記事では、幾度となくソニーを危機的状況から救ったソニー元代表取締役社長兼CEOの平井一夫さんの著書『ソニー再生 変革を成し遂げた「異端のリーダーシップ」』から学んだこと8つを紹介していきます。
それでは見ていきましょう!
ソニー再生を読んで学んだこと8選
【1】つらい仕事こそリーダーがやる
時にはリーダーはリストラなどのつらい決断をしなければなりません。
そんな時に平井さんは自らが従業員と1対1でクビを宣告するそうです。
部下にクビの宣告などのつらい仕事を任せると、部下に「良いときだけ出てきて嫌な仕事だけ我々に任せるんですね。」と思われ、誰もついて来なくなります。
自らが下した大事な決断なら誠意をもって従業員と会話をし、考えや思いを伝えるべきです。
【2】部下による選挙
平井さんは管理職の人に「もし部下による選挙が行われるとしたら、あなたは選ばれる自信はありますか?」と問いかけるそうです。
リーダーは、“部下がついていきたいリーダー”であるべきです。
「やりたくない仕事を部下に押し付けて自分がラクをする」のと、「リーダーがやるべき仕事をする」は全く異なります。
部下がついていきたいリーダーであれば、部下はやる気を持って仕事をしますし、能力も発揮します。
自分に「今、部下による選挙が行われたとしたら自分は選ばれるのか」と問い、自分の今の姿を客観的に見てみましょう。
【3】オートパイロット状態
チームが、「俺たちのリーダーならこう判断するだろう」と読み取って動いてくれるのが理想です。
そのためには、リーダーがブレない考えを持ち、それを周りの人と共有することが大事です。
【4】わからないときは素直に「わからない」と言う
リーダーという立場だと、ナメられたくなかったりプライドがあったりしてわからないことがあっても「わからない」と言いづらかったりします。
部下に、「だったらサポートしましょうか?」と思ってもらえるようにするのがいいです。
周りの人をうまく巻き込んで『支えたくなるリーダー』になりましょう。
【5】異見を求める
立場が上になると力を持つので、部下は異見を言いづらくなります。
部下が思っていることをはっきりと言えない状態は良くないです。
親しみやすい人であるために、平井さんは部下が多数集まるパーティーなどで奥さんと周って、奥さんにツッコまれている人間臭い姿をあえて見せていました。
それほど異見を言ってくれる部下は大切な存在なのです。
【6】肩書で仕事をしない
ソニーのような大企業で社長になると、一社員からしてみれば雲の上の存在になってしまいます。
異見を言ってもらうためにも、親しみやすい人間であることが大事です。
ソニーでは、小学1年生になる従業員のお子さんにランドセルをプレゼントする贈呈式が行われるそうです。
社長が代表の子にランドセルを贈与するのですが、背が高い平井さんが立ったままだとどうしても上からになってしまうので、平井さんは膝をついて子供と目線が同じになるようにしたらしいです。
雲の上の遠い存在であっては、「応援したい」と思ってもらえません。
平井さんはそんな細かいところにも気を付けていたそうです。
【7】リーダーは自社製品の一番のファンであれ
平井さんはトヨタの社長の豊田章男がヘルメットをかぶって赤いつなぎを着て「モリゾウ」という名前で実際にモーターレースに出場していることを知り、「それだけで社員たちへの強烈なメッセージになっている」と思ったそうです。
社員は「本当にあの人はクルマが好きなんだな」と思い、社内に臨場感が溢れ、臨場感が一体感を生みます。
豊田章男さんは誰が見ても一瞬で理解できる方法で伝えているのでしょう。
【8】各事業ごとのROIC(投下資本利益率)の目標値を設定する
平井さんはソニーの全事業を分社し、身軽になってもらって、各事業が投下資本利益率(資本を有効に活用できているかどうかを表す)の目標値を設定するようにしました。
ソニー全体で利益の目標を設定すると各事業が目先の利益を追求してしまい、ブランドイメージを崩したり、数年後にも役立つ技術を生み出せなかったりするので、各事業ごとのROICの目標値を決めました。
まとめ
多くのことに共通するのは、「高いEQ(心の知能指数を持つ)」ことです。
人の上に立つリーダーは親しみやすく、異見を言いやすい人であるべきです。
平井さんがどのようにソニーを危機的状況から救ったのかがよくわかる本でした。
平井さんの平社員時代からソニーの社長辞任やこれからの活動についてまでが知れる本です。
ぜひ手に取って読んでみてください!
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。